TOKIOは一日にして成らず

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『MAKES PRESENTS KONA CHALLENGE EXPO 2019』に参加したよ【その3】 #コナチャレ #トライアスロン

KONA CHALLENGE EXPO 2019

4月28日(日)に参加した『MAKES PRESENTS KONA CHALLENGE EXPO 2019』の続き。その3。

tkfuji.hatenablog.com

 上の前回から一晩寝かせるつもりが、一週間以上寝かせてしまいました(笑)。

実戦的 ロングで失敗しない補給戦術の立て方。[村山彩]

kona-challenge.com

さて、この最初のセッションだけで3回目に突入しましたが、いよいよ本題の本題!ロングレースでの補給のカロリー摂取量について。

カロリー摂取量の計算

基本となる計算式

1.05×Mets(運動強度の係数)×運動時間(h)×体重(kg)
=エネルギー消費量(必要なカロリー数)

レース中の補給でのカロリー摂取量を出すためには上記のエネルギー消費量から他で補える分(以下)を引いていきます。

  • 脂肪(20-30%)
  • 筋グリコーゲン(1000-1500kcal)
  • 肝グリコーゲン(280-400kcal)
  • 朝+レース前(500-1000kcal)
  • 体重1kgあたり1-1.2gの糖質/1h(アメリカスポーツ医学会)

これを海外のエリート女子選手*1のあるレースで計算してみると、

Ex)1.05×11Mets×4h×50kg=2310kcal
2310-462(=2310×0.2)–1000-(0)-500=348kcal

  • 脂肪(20-30%)
    • 下限の20%で計算。
  • 筋グリコーゲン(1000-1500kcal)
    • 下限の1000kcalで計算。
  • 肝グリコーゲン(280-400kcal)
    • 0kcalで計算*2
  • 朝+レース前(500-1000kcal)
    • 下限の500kcalで計算。
  • 体重1kgあたり1-1.2gの糖質/1h(アメリカスポーツ医学会)
    • これは使わなかった*3

348kcalをこの例では摂取する必要があるという結論。


ここで、トライアスロンのメッツMets(運動強度の係数)をどう出すのということは当日のホワイトボードから。

f:id:tkfuji:20190428122544j:plain

当日のホワイトボード(講師によってセッション開始前に記入済み)

 上記写真を分かり易く文字に起こしたものが以下の表。TOKIOさん、優しい。

トライアスロンにおけるメッツ(Mets)の目安

Mets

スイム(100m)

バイク(km/h)

ラン(1km)

7

2分 30秒

15

8分 10秒

8

2分 14秒

20

7分 30秒

9

1分 58秒

25

6分 50秒

10

1分 42秒

30

5分 30秒

11

1分 26秒

35

4分 50秒

12

1分 10秒

40

4分 10秒

13

 

 

3分 30秒

14

 

 

 
  • スイム:16秒毎に1Mets追加
  • バイク:時速5km毎に1Mets追加
  • ラン :40秒毎に1Mest追加*4

トライアスロンのロングレースでの摂取量の計算

ここからトライアスロンのロング(アイアンマンディスタンス)レースで各自計算してみましょうという実戦的*5なコーナー。

当日は上の計算式と表だけで計算した。けどさあ、ペースと距離が分かっているので、時間は自動的に求められるはず。ということで、メッツ(Mest)に対する時間を出したのが以下の表。TOKIOさん、優しい*6

トライアスロンにおけるメッツ(Mets)時間早見表

Mets

スイム(h)

バイク(h)

ラン(h)

3.8km

180.2km

42.2km

7

1.6

12.0

5.7

8

1.4

9.0

5.3

9

1.2

7.2

4.8

10

1.1

6.0

4.1

11

0.9

5.1

3.4

12

0.7

4.5

2.9

13

 

 

2.5

14

 

 

 

 

TOKIOのMetsはこれまでのロングレースの記録からちょい高めのペースに設定しておく。補給が足りなくて、強度が上げられない事態を防ぐためにね。

スイム:8(2:14/100m)、バイク:9(25km/h)、ラン:10(5:30/km)

 計算式と時間を当てはめてみると、

スイム:1.05×8×1.4×64=752.64
バイク:1.05×9×7.2×64=4354.56
ラン:1.05×10×4.1×64=2755.2
計:7862.24kcal

7862-7862×0.25-1000-0-500=4396.5kcal

これの内訳はこんなところ。 

  • 脂肪(20-30%)
    • 脂肪の利用効率は比較的高いとの前提*7で、真ん中の25%で計算。
  • 筋グリコーゲン(1000-1500kcal)
    • 逆に糖質の利用効率は低いとの前提*8で、安全を見て下限の1000kcalで計算。
  • 肝グリコーゲン(280-400kcal)
    • 0kcalで計算。
  • 朝+レース前(500-1000kcal)
    • 朝からそんなに食べない想定で、下限の500kcalで計算。
  • 体重1kgあたり1-1.2gの糖質/1h(アメリカスポーツ医学会)
    • これは今回は使わない。

 なので、市販のジェル(約120kcal)で補給しようとすると、

4396.5÷120(ジェル1本)=36.6=37(本)

 となって、ジェルを37本もレース中に摂らないといけない!との結果に。ここでタイムアップ。質疑応答の時間もちょっとあったが、次のセッションが休憩時間なく始まるため後ろ髪を引かれつつ次のセッションへ移動。

TOKIO質問

疑問に思ったことを書き留めておいた。同じセッションがリピート開催されたので、その後で個別に聞きに行った。

  • 栄養素の説明があったのに最後の計算式で栄養素を考慮しないカロリーだけの話なのはなぜ?
    →カロリーは糖質由来分を計算する。
    • 炭水化物は即エネルギーとなるため?他もレース中でも使われるかもしれないが、即効性の点で当てにできないため?(聞いていない。後で思った疑問)
  • 脂肪の20-30%は体脂肪率ではなく脂肪の利用効率の話??(男性だと低いと言う話があったような・・・)
    →持っている体脂肪の量と脂肪の利用効率両方が関わって来る。
    • 体重×体脂肪率×何らかの係数(体脂肪を利用できる割合)で利用量は決まるのでは?
      →正確にはそうだが、ざっくりした計算で。体脂肪が多いか少ないか、普段から糖質を摂り過ぎていて脂肪の利用効率が落ちていないかを加味する。
  • 肝グリコーゲンは期待できないからゼロとするのが正しい?
    →(質問し忘れた)

今日の宿題(次のレース前までに)

  • 実践的な摂取量と補給食の確定
    • ジェルを37本もレース中に摂らないといけない!という結論は何ら実践的でないので、実際に使う補給食で計算しないといけない。かつ、その前にレース前、バイク中、ラン中それぞれで何カロリー摂取が必要かを計算する必要がある。その後で、具体的に何でそのカロリーを補給するかを決めないといけない。

あと、皆さんもこの宿題やってみてください。TOKIOはまずはショートでやってみるかな。

今日のオススメ本

次のLumina(来月発売)に「レース中のエネルギー補給戦術の実例紹介」とある!たぶん今回のセッションの話やその延長ではなかろうか!(と期待)

[雑誌]Triathlon Lumina(トライアスロン・ルミナ)2019年7月号

[雑誌]Triathlon Lumina(トライアスロン・ルミナ)2019年7月号

 

*1:名前は聞き逃しました。

*2:特に説明はなかったが、肝グリコーゲンは当てにしないということだろう。

*3:検算に使うということであろう。

*4:ランの9Metと10Metsの間だけ1分20秒離れているのはなぜだろう?

*5:日本語としては実戦的ではなく実践的が正しいと思うが。日本語に存在するかどうかだけでなく、意味を含めても。

*6:本日、二度目(笑)。

*7:日頃のファット・ローディングによる。

*8:同じく、日頃のファット・ローディングによる。