アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)が主催で5月20日(水)に開催された書籍『明日のプランニング』出版記念勉強会に行ってきました。まあ仕事とは直接関係もないし、午後半休を取って行きましたよ。
勉強会
その日発売となった、さとなおさんこと、佐藤尚之さん『明日のプランニング』を買って会場入り。さとなおさんと講談社さんのご厚意で税込907円のところ税込800円で。さとなおさんは広告業界の人でインターネット黎明期(1995年)からブログを書いてて、『明日の広告』や『明日のコミュニケーション』といった本も出している。AMNの徳力さんによると、本来社内勉強会でもいいところをせっかくさとなおさんに講演してもらうのだから出版を記念してオープンな形で講演をやってもらうことにしたとのこと。それの方が請けてくれるだろうという思惑もあって。
それで、「伝わらない時代の『伝わる』プラニング」というタイトルで『明日のプランニング』の内容をかいつまんで説明してもらいました。話は納得できたところと納得できずモヤモヤしたところがあったけれど、本をまだ読めていないので、読んだら書評書きますね。
本題
ここからが今回の本題。さとなおさんの講演の後はAMNの徳力さんを交えたパネルディスカッション。徳力さんがさとなおさんにいくつか質問して、その後会場からの質問を受けるという形式。
ここで驚いたのは質問したのがほとんど企業の宣伝やマーケティング担当などガチな本職の人達。どういった企業かを挙げると、こんなところ。抜けはあるかも。
(※サイトの運営会社とか実名が出ていたけども、宣伝になるのもどうかと思うので、名前は出しません)
出版記念の勉強会の言葉を信じ(笑)、本について著者に直接質問できたらなーという気持ちだったので、ちょっと場違いなところに来たかなと思いつつ、これらの企業の宣伝担当から出る質問内容にもっと驚いた。その質問というのが自分の仕事内容を説明し、それに対する助言をさとなおさんに求めるというもの。
徳力さんが企業名でググってすぐモニターにその企業のWebサイトを表示するものだから(あの瞬発力はさすが徳力さんと思った)、さとなおさんも会場も質問者の企業が把握できたの。きちんと落とし込んで質問するだけでなく、後の方になると、会社名を名乗って状況を説明して「どう思われますか」「なんかヒントください」となんともオープンなクエスチョンを投げる始末。さとなおさんは丁寧に答えていたけれども、それでいいのか、宣伝屋さん達!
懇親会の席で個人的に質問するならまだしも、他にも100人近く聞いてる人がいるんだよ?さとなおさんの助言に従った宣伝戦略を採用するとして、それを競合他社が聞いている可能性を考えないの?それ以上に自分のコアな領域の質問を無料で聞いてそれを仕事に使ってプロフェッショナルと言えるの?そんな給料泥棒な人達がいる会社の商品を買おうと誰が思うの?
自分も仕事のコアな領域(データモデリング)で外部の人に助言を求めることはあったけれども(自分だけで頑張ろうとしていたけれども上司が助け船を出してくれた)、ちゃんとお金を支払って会議室とかのクローズドな場所で聞きましたよ。オープンな場所でタダで専門家の助言を求めるなんてあり得ない。たぶん彼らは会社のお金と時間を使って勉強会に来ているのだろうし(もちろんそうでない人もいるだろう)、自分の業界(IT、ソフトウェア開発)で勉強会と名のつくものに会社のお金と時間を使って行くとかもないだろうし、宣伝屋さんみたいな直接的な質問するとかあり得ない。
そんなにアイデアがないんだったら、お金くれたらいくらでもアイデア出しますよ(もちろん会社でなく自分の給料の中からお金は出してね)。別に自信がある訳でもないれど、プロフェッショナルとして失格な人達が仕事する位だったら。そんなことだから、広告代理店にお金をボッタクられて終わってるんじゃないの?(実情は知らないけれど、たぶん当たってる)
企業から宣伝部やマーケティング部はなくそうという動きになるんじゃないかなあ。すでにそうなっているのかもしれないけれど。そんなプライドもない人達が宣伝を担当しているバンダイや味の素やライオンの商品は買いたくないし、質問者の検索サイトや情報サイトも使わないだろう。確実に一人はファンまたはファンのなり手を減らしたね。これからはリーチ数とかではなくファンを介してリーチするという趣旨の本の勉強会だったのに。
例外もいる
もちろん質問した人には例外もいる。宮崎県の役所の人。さとなおさんの講演で情報が爆発的に増えていて、発信する情報が地球上の砂の一粒になる"砂一時代"において情報は忘れ去られ、ほんの2,3日前の大阪都構想の話題なんてもう誰もしていないでしょうという話があったのね。それに掛けた「さとさおさんが大阪都構想ではどういった手を打てばよかったと思いますか」という質問。これは思考実験としても面白いし、自分の役所の実情をバラしている訳でもないし、会場の他の人にもさとなおさんの回答が役に立つ可能性のあるいい質問。
例外その2
徳力さんが見せた味の素のWebサイトは良かった。企業のWebサイトなんてそんな見ることもないしね。何が良かったかと言うと、トップページのローテーションバナーが流れてて、その女優陣がどストライクなこと!志田未来に川口春奈に菅野美穂もいる♪CMとか見てても商品名とかクノールとかのブランドは認識していてもこれらが同じ企業(味の素)の商品だとは認識していなかった。こういう自分の好みと合う女優を採用している会社の商品は是非とも買いたくなるというもの。俺はね。
今日のオススメ本
まだ読めてないけれど、講演でもしつこい位重ねて深いところまで突っ込んでいたから、面白いんじゃないかな。
明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法 (講談社現代新書)
- 作者: 佐藤尚之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/05/20
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (3件) を見る