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デブサミで打たれる

2月19日(金)の午後に半日だけ、目黒雅叙園で開催された「Developers Summit(通称:デブサミ)」に行って来ました。建築家の中埜さんの波に思いっ切り打たれてしまいました。

デブサミ2010のテーマ

「世界は変わった。開発の現場はどうか?」(Developers Summit 2010から)

建築から開発プロセスを学ぶ〜パタンランゲージ(中埜博氏、和田卓人氏、角谷信太郎氏)

まともに聴けたのこれだけでしたが、これだけでも行った価値がありました。

和田さんの進行で、角谷さんが場を温めます。場が温まったところで、中埜(なかの)さんが登場。中埜さんの「デブサミというから、デブの集まりかと思った」(笑)の言葉で開始のゴングが鳴った。クリストファー・アレグザンダーの話から、パタンランゲージ、QWAN(名付けられぬ質、無名の質)、家作りの話で家具を自分で作れとか、加速しつつでも中埜さんは場に合った言葉を選択しながら、話が進んでいきます。ツリー構造やセミ・ラティス構造、QWANを考える参考書四冊(後掲)、15の特性の話など、言葉のひとつひとつが心に染み入ってくる感じです。

建築の話をしているんだろうけど、ソフトウェア開発に置き換えても全く違和感がない。それだけ普遍性を持っているということなのでしょう。会場の反応もいい。打てば響く感じ。

質疑応答での会場からの質問も的確で、更に「俺にも言わせてくれ」的なのもあり、盛り上がりを見せた。中埜さんの回答で「建築ではコーディネーターが重要な役割を持つ。ITでもその役割が重要なのではないか」というのは、その通りだと思った。システム開発でも、コーディネーターが上手く介在し、開発者は労働流動性を持ちつつ役割分担ができるようなビジネスの仕組みをどうやったら実現できるだろうかと考えた。

世界一おいしいスープの絵本(後掲)で最後の締め。中埜さん曰く「皆さんはおいしいスープを作る材料を持っている」そう、後はおいしいスープを作るだけだ。

開発の現場はどうか?

熱い気持ちのまま、じっくり考えてみる。デブサミのテーマに戻る。開発の現場は変わったのだろうか?

その前に、本当に世界は変わったのだろうか?いや、世界は変わっていない。(日本で言うところの)戦後、高度成長期があり、バブルは弾けた。最近では、リーマンショックがあり、日米で政権は交代した。私も社会人になり、いい大人になった。けど、世界は何も変わっていない。少なくとも僕らやもっと前の世代が小さい頃に夢に描いた時代は来ていない。アトムもいないし、ガンダムもいない。

中埜さんから「ソフトウェアも世界を世の中を変えて欲しい。その力は持っているのだから」という熱い想いをもらった。ソフトウェアやITで世の中を変えていけると思う。もちろんどっかの企業やコンサルタントが言うバズワードとしての「ITが世界を変える」という意味ではない。我々の寄って立つ現実の世界を変えていく、変えていくのは他でもないボトムアップセミ・ラティスな我々開発者なのだ。

そう。世界は変わる。変えていける。開発の現場から。そのことを信じて、自分から自分の周りから変わっていく。そのムーブメントがお互いに影響し合って、世界とコミットメントしていった時に、世界を変えていけると思う。翻って、まずは一年後のデブサミまでに、この手で少しずつできることから変えていきたい。

QWANを考える参考書四冊

うち一冊は絶版のようで再刊された上下の文庫版を。

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

弓と禅

弓と禅

禅とオートバイ修理技術〈上〉 (ハヤカワ文庫NF)

禅とオートバイ修理技術〈上〉 (ハヤカワ文庫NF)

禅とオートバイ修理技術〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)

禅とオートバイ修理技術〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)

断片と全体

断片と全体

締めの本

たぶんこれかと。

Stone Soup (Aladdin Picture Books)

Stone Soup (Aladdin Picture Books)